「電子カルテより手書きが速い」——本当にそうでしょうか

「電子カルテより手書きが速い」——本当にそうでしょうか

石井 武

石井 武

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「手書きのほうが速いから」。

電子カルテのご案内をしていて、いちばんよく聞く言葉です。先に、身も蓋もない話から書きます。半分、その通りだと思っています。

「書く」という動作だけを切り取れば、慣れた先生の手書きは速い。ここを認めないまま「いえ、電子のほうが速いです」と言っても、話は平行線です。

ただ、その「速い」は、ペンを走らせている数十秒の話です。カルテの時間は、書く前にも、書いた後にもあります。今日は、それを全部含めた「総時間」の話をします。

「書く」だけなら、紙が勝つ場面がある

思いついた瞬間に書き始められる。図も矢印も自由に描ける。起動もログインも要らない。この一点勝負なら、正直、勝てない場面があります。

「カルテを書く」から、少し視点を広げて考えてみます。

出す → 書く → しまう → 探す → 読む → 引き継ぐ。手書きが勝てるのは、このうち「書く」の一部だけです。

カルテの時間は、「書く前」と「書いた後」にある

紙カルテの1日を思い出してください。

朝、予約表を見て棚からカルテを出す。施術が終わったら棚に戻す。仮に1人あたり出し戻しで2分、1日30人なら、それだけで1日1時間。月25日の診療なら25時間。営業日にして、まるまる3日分です。

そこに「探す」が重なります。「あの症状の患者様、前はどう書いたっけ」——棚と記憶が頼りの検索は、1件で数分。見つからないこともあります。

書く速さで稼いだ数十秒が、書く前と後で溶けていく。これが紙の構造です。

2回目以降は、電子のほうが速い

もうひとつ、大きいのがこれです。紙は毎回ゼロから書きますが、電子は前回の続きから書けます。

  • 前回カルテのコピー。慢性期の患者様なら、変わったところだけ直せば終わり

  • よく使う説明文は定型文に登録して、呼び出すだけ

  • 音声入力。手で書くより、しゃべるほうが速い

初診の1枚目は、紙が勝つかもしれません。でも2回目、10回目、100回目と積み重なるほど、差は電子側に開いていきます。

速さ以外の4つ。紙に戻れなくなる理由

電子に切り替えた先生方に理由を伺うと、とにかくよく出てくるのが、この4つです。

症例が探せる。 患者名、部位、キーワードで数秒。過去の似た症例を施術の合間に確認できます。紙では、これはほぼ不可能でした。

字の汚さに左右されない。 急いで書いた自分の字が読めない。スタッフが判読できず口頭で確認する。この小さなロスと誤読リスクが消えます。

粒度が揃う。 テンプレートと選択式の入力なら、新人もベテランも同じ項目が埋まります。書き手によって情報量がバラバラの記録は、代診や引き継ぎの場面で牙をむきます。

カルテ出しがなくなる。 出す・戻す・探すがゼロに。受付と施術ベッドで同時に開くこともできます。紙は1冊しかありません。

加えて、保管の問題。施術録には5年の保存義務があり、紙は棚を埋め続けます。クラウド型なら、カルテは院の外のデータセンターに保存されます。棚が消え、万一院が水害や火災に遭っても、記録は残ります。

「消せない」ことが、先生を守る

意外に思われるかもしれませんが、電子カルテは紙より「直しにくく」できています。

いつ・誰が・どこを編集したかが記録に残る。一定期間を過ぎたカルテは編集できなくなる。削除もできず、非表示にした場合はその日時と理由が残る——。

窮屈に聞こえるでしょうか。逆です。保険者からの照会や、万一の争いの場面で、「この記録は後から書き換えていない」と示せることは、先生を守る盾になります。鉛筆と修正液で書かれた施術録に、その力はありません。

さいごに

白状すると、私自身、年中デスクワークで腰痛をやってきた人間で、いまは月に一度、メンテナンスで鍼灸院に通っています。待合で紙カルテの棚を眺めながら、「この出し入れ、年間で何時間になるんだろう」と職業病みたいな計算をしてしまいます笑

「手書きのほうが速い」。その感覚は、間違っていません。ただ、もし一度だけ試すなら——明日、カルテの出し戻しと探し物にかかった時間をメモしてみてください。数字を見てから決めても、遅くありません。

電子カルテ「Kartte(カルッテ)」なら、ここまでできます

ここからは手前味噌です。作っている本人が言うので、多少割り引いて読んでください笑

この記事に書いたことは、カルッテで実際に動いている機能です。

  • 前回カルテをボタン一つでコピー。 どの項目を引き継ぐかは院ごとに設定できます。よく使う文章は定型文として登録でき、カルテ作成時に自動で入ります

  • 音声入力+AIの文章整理。 施術中に話した内容をAIが欄ごとに整え、雑談は「次回の話のネタ」としてフリーメモに残します。整骨院の保険請求に必要な受傷の原因・日時・部位が要約から落ちない設計です

  • 文字を打たない入力。 人体図をタップして部位を選び、症状と施術はチェックボックスで入力。選んだ部位の筋肉・ツボ・関節が候補に出ます

  • 問診・予約からそのままカルテへ。 Web問診の回答や予約の情報が入った状態で書き始められ、自動保存つき。「保存し忘れ」が起きにくい設計です

  • 探せるカルテ。 本文の全文検索(該当箇所を強調表示)と、最終施術日などでの絞り込み。しばらく来院のない患者様へのLINE・メールの自動配信にもつながります

  • 姿勢分析。 写真から関節の位置と角度を自動計測し、過去の2回を並べて比較。患者様ご自身のマイページでも確認できます

  • 守りの設計。 編集の記録が残り、保存から一定期間で編集不可に。カルテは削除できず、非表示のみです

「書く」を速くするだけでなく、書く前と後の時間ごと設計し直す。浮いた時間は、患者様と向き合う時間に使ってください。

詳しくはこちら → https://kartte.jp/

石井 武

著者

石井 武

株式会社クロスリンク 取締役 CTO。

埼玉県出身。二児の父。

WebメディアやBtoBシステム、ECサイトなど、Web業界で15年以上にわたり、プロダクト開発、マネジメントに従事。

2023年に株式会社クロスリンクに開発責任者として入社し、プロダクト開発をリード。

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