新規の患者様が「次もお願いします」と自然に口にする。初回来院から定着を生み出す「3つの絶対法則」
山本 圭吾
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整骨院や鍼灸院を経営されている皆様、毎日の院運営、本当にお疲れ様です。
一人ひとりの患者様が抱えるお悩みに真摯に向き合いながら、スタッフの育成や日々の細々とした業務までこなす毎日は、本当に息をつく暇もないほどの忙しさですよね。
これまで数多くの整骨院・鍼灸院の経営者様とお話しする中で、もっとも多く、そして切実にご相談いただくお悩みがあります。
「新しい患者様は来てくださるのに、なぜか2回目、3回目と続かないんです」
「スタッフも一生懸命やっているのに、リピートに繋がらず自信をなくしてしまう」
せっかくご縁が繋がり、患者様を良くしてあげたいと一生懸命に施術をしたのに、1回きりで足が遠のいてしまう。
「私の対応が悪かったのかな」と肩を落とすスタッフの姿を見るのは、経営者様にとっても非常に辛い問題ですよね。
しかし、どうかご自身やスタッフさんを責めないでください。
患者様が1回で離脱してしまう最大の理由は、「技術の不足」や「接客の悪さ」ではありません。
初回の限られた時間の中で、患者様の中に「次回も通うべき明確な理由」を、正しい手順でお伝えできていないことがほとんどなのです。
今回は、これまでの現場の課題を総括し、患者様が自然と「次も来ます」と前のめりになるための、初回来院時に欠かせない「3つの絶対法則」をお伝えします。
目次
1.法則①:痛みの先にある「本当の願い」を共有する
初めて院を訪れる患者様は、「どんな先生だろう」「本当に良くなるのかな」と不安でいっぱいです。
そんな緊張状態の中で、いきなりお体の状態だけを淡々と確認されても、患者様の心はなかなかほぐれません。
例えば「腰が痛い」といらっしゃる患者様。
患者様が本当に解決したいのは「腰の痛み」そのものではなく、「腰の痛みを気にせず、週末に子供と思い切り公園で遊びたい」といった、その先にある「叶えたい未来」のはずです。
初回のカウンセリングでは、症状だけでなく「このお悩みが気にならなくなったら、一番何をしたいですか?」と優しく問いかけてみてください。
そして、患者様が言葉に詰まっても焦らせず、ゆっくりと目を見て、深く頷きながらお話を伺ってみてください。
「ただ痛みをどうにかする先生」ではなく、「私の理想の生活を一緒に叶えてくれるパートナー」だと感じていただけた時、患者様の中に大きな安心感と信頼が生まれます。
これが、すべてのコミュニケーションの土台になります。
2. 法則②:「3回目の壁」の理由と、明確なロードマップを示す
「本当の願い」を共有できたら、次に行うのが「ゴールまでの具体的な道のり」の提示です。
患者様が次回予約をためらう一番の理由は、「いつまで、どのくらいの頻度で通えばいいのか分からない」という見通しの甘さにあります。
ここでぜひお伝えしていただきたいのが、「最初の3回の重要性」です。
人間の体には、長年の癖で作られた「元の悪い状態」に戻ろうとする働きがあります。
初回にどれほど素晴らしい施術を行っても、数日経てば必ず引き戻されてしまいます。
完全に元に戻りきる前に2回目、3回目のケアを行うことで、初めて体は「良い状態」を記憶し始めます。
この「3回目の壁」を越えることが、根本改善への絶対条件なのです。
現場のスタッフさんは「最初から詰めて通うように伝えたら、強引だと思われないか」と遠慮してしまうことがあるかもしれません。
しかし、以下のようにプロとして自信を持って言い切ってあげてください。
「旅行を全力で楽しめる体を作るためには、約3ヶ月かかります。
特に最初の3回は、体が元の悪い状態に戻りきる前にケアをする必要があるので、間隔を空けずに『週に1回』のペースでいらしてください。
そこを越えれば間隔を空けていけますから、一緒に頑張りましょう」
先の見えない不安を抱えている患者様にとって、専門家として確かな道筋をリードしてあげることは、決して押し売りではなく、最大の「思いやり」です。
3. 法則③:予約の決断は「お会計時」ではなく「施術スペース」で終わらせる
そして最後に、非常に重要でありながら見落とされがちなのが「お約束をするタイミング」です。
多くの院では、お帰りの際のお会計時に「次回はどうされますか?」とお伺いしているのではないでしょうか。
しかし、お財布を開く受付のカウンターは、患者様にとって「現実(お金)と向き合う場所」です。
そのタイミングで聞かれると、どんなに体が軽くなっていても「またお金がかかる」「営業されている」という防衛本能が働きやすくなります。
次回予約の決断は、患者様がご自身の体の変化に感動し、未来に期待を膨らませている「施術スペース」で終わらせておくのが鉄則です。
施術ベッドの上で体がスッと軽くなった瞬間、患者様は「ここでなら良くなるかもしれない!」と最も心が動いています。
この温かい感情が冷めないうちに、法則①の「本当の願い」と、法則②の「ロードマップ」をお話しします。
患者様が深く納得し、頭の中でスケジュールを調整し始めた状態を作ってから、お会計にご案内するのです。
そうすれば、受付での会話は「次回はどうしますか?」という営業や交渉ではなく、「では、来週の火曜日でお取りしておきますね」というスムーズな確認作業へと変わります。
4.さいごに
いかがでしょうか。
「痛みの先にある本当の願いに寄り添うこと」
「プロとして明確な道のりと理由を示すこと」
「患者様の心が最も開いているタイミングでお約束をすること」
この3つが一つに繋がったとき、初回の対応は単なる「お試し」から、患者様との「大切な未来への約束」へと昇華されます。
強引なアプローチや巧みなトーク術は一切必要ありません。
明日からお迎えする新しい患者様へ、ぜひこの3つの法則を意識して接してみてください。
皆様の院が、より多くの患者様から深く信頼され、長く愛される場所になることを心から応援しております。
5.患者様とじっくり向き合う時間を作るためのおすすめツール
本コラムでお伝えした「患者様に寄り添うヒアリング」や「施術スペースでの丁寧なご説明」。
これを現場で徹底するには、スタッフの皆様が目の前の患者様に100%集中できる「時間と心のゆとり」が欠かせません。
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著者
山本 圭吾
株式会社クロスリンク 取締役。
新卒で株式会社USENに入社し営業職に従事。その後、株式会社リクルートに入社しHotPepperの営業に従事。通期表彰などを受賞。
2010年、株式会社クロスリンクに入社。営業、企画、人事と多岐に渡る業務を経験。2016年、同社の取締役に就任。現在に至る。